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Channel: A1理論はミニマリスト
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夜の『救い』。

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やっと固形物が食べれるようになってきた。

 

というか、なにかを食べないと、おそらく朝まで眠れないと思った。

 

なので、深夜の高田馬場駅前へ。

 

開いているそば屋さんを見つけた。

ま、僕が昔から深夜によく行くお店のひとつだ。

f:id:A1riron:20170517024921j:image

 

さすがに、この時間、お客は僕以外に誰もいなかった。

 

とりあえず、春菊そばの食券を買い、カウンターで大盛りにしてもらう。 

「大盛り無料」がこのお店の特徴なのは、10年くらい前から知っている。

 

 

だいぶ酔っていたので、最初はめちゃくちゃ熱かった。

けど、すぐにペロリと平らげた。

 

その後、おにぎりもカウンターから注文した。

今思うと、『やけ食い』に近かったのかもしれない。

 

50歳くらいの店員さんが、 

「今あるおにぎりは、野沢菜と、鳥そぼろと、、、」 

と言ってたので、最後まで聞かずに、

「じゃあ!野沢菜で!」

と、即答した。

今は「長野」に飢えている。

 

おにぎりはたった70円だった。

 

店員さんは僕にラップに包まれた野沢菜のおにぎりを出した後、最初にいた、少し奥の場所で作業を続けながら、

「おカネはちょうどありますか?そこに置いておいてください。そのうち取りにいきますから。」

と言った。

 

僕は財布を開いて、10円玉を7枚置いたのだが、店員さんは取りに来る気配も、確認する気配もない。

 

少しして、近寄ってきたので、

おカネを取りに来たのかな?

と思ったら、

「お客さん、おにぎり食べるのには、そばの汁が足りないんじゃないですか?」

と言って、その後、どんぶりの汁が倍くらいになった。

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

僕はその光景をしばらく見ていて、

「いやぁ、いいお店ですねぇ。。。。実は僕、仕事で嫌なことがあって、どうしても眠れなくて、、、、」

と、なんの脈絡もないことを言った。

 

 

店員さんは、再び作業位置に戻り、作業しながら、

 

「あんまり考え過ぎないほうがいいですよ。」

 

と、ミニマムな言葉だけをつぶやいた。

 

 

 

その後は、僕が汁を飲み干すまで、無言が続いた。

10円玉7枚は、結局、僕がお店を出るまで一瞥もされなかった。

 

 

 

たった一言で『救われる』夜

というのは、この地球上には少なくとも存在する。

 

 

と思った、2017年の5月17日AM。


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